「売りたい本」を売れない配本制のしくみ
いつかは、実店舗をオープンさせるときは、
古本屋だけでなく、同じお店の中で、新刊本
も取り扱いたいと思っています。
新刊本と古本との併設。
ヨーロッパでは当たり前なんですけどね。
(日本では、委託配本制なので、古本を新刊本として返品する
書店があるのではという取次の恐れから、嫌がってさせないそうです。)
ところで、本は出版されると、新刊として書店に
並びますが書店と版元との間には「取次」があり、
そこで書店の売り上げに応じていったん配本数
が決まり書店へと出荷されます。
この時点でお気づきの方は
「あれ?書店の希望の冊数は
入らないの?」と疑問に思うはず。
新刊の案内は事前に版元からFAXや営業の人から
の直接の電話、あるいは版元から出される新刊
ニュースなるもので仕入れ側が情報を得ます。
そして、希望冊数を版元に直接か
取次にお願いします。
一旦は希望冊数を送りますが、
ほとんど、その冊数どおり
入ってくることはありません。
それは、今までの売れ行き状況を参考に
仕入れ冊数が調整されてしまっているから
なんですね。
では、個人経営の小さい書店は、
どうしているのか…
今、地道にがんばっているのが「NET21」
http://www.book-net21.jp/
という中小書店の集合体で、大型書店に流れて
しまう配本数を小さな書店が集まれば
少しでも多く仕入れることができるということで
始まった会社です。
あくまでも会社なので、きちんとトップがいますが
各書店の個性的な差別化をはかりながらも
経営として成り立っているようです。
また、ビレッジヴァンガードなどは
個性の強い書店の代表格ですが書店兼雑貨屋なので、
実際の書籍の売り上げの割合は、全体の3割だとか。
(参考:Wikipedia)
平積みの本もありますが、担当者の力強い
押しのポップが見事に顧客の心をつかみます。
今後、電子書籍に対抗して、
版元への返品率を防ぐために買い切り制度に
移行していく傾向にあります。
そうなれば、「仕入れた1冊を確実に売る」
という必要性がどんどん高くなっていきます。
ある意味では、小さな書店の方が
売り上げ効率が高くなる可能性だってあります。
要は、自分にとってオススメできる本を
たくさん用意して、売れる本だけに
頼らない書店となっていくことかもしれないですね!
↓ ↓ ↓
「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書) | |
小阪 裕司「売れる商品がないから売れない」「値段が高いから、立地が悪いから売れない」…こうした考えはすでに前時代的なものである。「感性」を軸にすることで、どんな商品でも、どんな立地でも、あなたの思い通りに「売上を創る」ことは可能なのだ。本書は、1千社を超える企業の会を主宰し、独自のマーケティング論で絶大な人気を誇る著者が、今話題の「感性工学」をベースに全く新しいマーケティングを説く。現場を知り尽くした著者だけに、具体例・実践手法も満載。
PHP研究所 2006-11-18 by G-Tools |