なくならない大事故―ドライバーの苦難
昨日は、朝からかなり衝撃的なニュースで
始まりました。
ディズニーランドへの
激安バスツアーが事故。
死者・重軽症者が40人以上も出ました。
運転手の居眠りが招いた大事故。
京都の暴走車による事故も含め、
GWに限らず、運転手が原因となって引き起こされる
大きな事故が後を絶ちません
運転をしてみると分かることですが
そのときの体調や精神状態によって
運転の調子がかなり変わります。
本人も自覚していないことがありますが、
疲労や考え事、眠気等々が
運転への集中力を
すっかりつぶしてしまいます。
自分は事故しないから…
という自意識過剰な運転が怖いのは
本当の事故を起こした時に分かったのでは遅いことです。
「いつか起こすと思っていた」
という他バス会社のドライバーの意見が
リアルに同業者の苦難を物語っているように思います
バスやタクシーのドライバーが苦難を
強いられながらお客を乗せていることは
この本で知ることができます。
タクシードライバー日誌 (ちくま文庫) | |
梁 石日タクシー業務ほど苛酷な仕事も少ないだろう。長時間労働、精神的疲労、事故、そして低賃金。この世界を、客の生態、仲間の暮しぶりを通して描く出色のドキュメント―。座席で痴態をくりひろげる客、傲慢な男、突然おそう大事故。この世の縮図を乗せて走った東京50万キロ。 筑摩書房 1986-10 by G-Tools |
これは、後に「血と骨」を産んだ作家の
全職の記録ですが、一つの映画を観ているような
ハードボイルドな世界があり
ひどく疲れたドライバー生活の実態を
伺うことができます。
もちろん、ひと世代前の話なので
今ではかなり改善されているでしょうが
それでも、実際の安全が十分に確保されているかというと
怪しい気がします。
本人の自覚だけでは、どうしようもならない
危険な綱渡りのような世界もあるのでしょう。
でも、その代償ははかりしれません。
いろんな職業を体験することは難しいですが
本や映画を通じて知ることはできるので、
「知る」だけでも自分たちはしておきたいですね。