内田百閒とノンブルなしの小説
先日、久世光彦さんの
「百閒先生 月を踏む」を
読みました
まさに満月の色をイメージした
落ち着いた黄色一色のカバーデザインに
とても惹かれ、手にとった後一気に
読んでしまいました
内田百閒は
みなさんもご存じ（ざっくり言うと）
夏目漱石の弟子にあたる人で
電車好き 猫（ノラ）好き
「イヤダカラ イヤダ」
の人ですね。
（ざっくりしすぎでしたかね）
さて、この「百閒先生 月を踏む」は
久世さんの遺作で、絶筆となっているため
最後は尻切れトンボです。
百閒先生が主人公のメタフィクションです。
久世さんのオリジナルの百閒先生が書いた短編
がはさみこまれているのですが、これが秀逸
そんな中で、『冥途』の初版本には
ノンブル（ページ数）が表記されていない
というようなことが書かれていて、
これもフィクションかな？
と思っていたのですが…
この本を読んだ数日後
タイミングよく
『冥途』の初版本を買ったと
友人から連絡があり、
「もしかしてページ数はないの？」
と鼻息荒く聞いたところ
「そうですよ、良く知ってますね！」
とのご回答！
本当にノンブルがないとは。
これにはさすがに驚きました。
まだ実物は見ていませんが
なぜノンブルをつけなかったかという
理由には諸説あるようです。
「途中で止めず、
一気呵成に読むように」
という思いがあったからとか
今自分は何ページ目を読んでるな
という読者の意識すら
歯がゆかったのでしょうか
実際、『冥途』を読んだら
ノンブルとか気にしないぐらい
一気に読んじゃいますけど…
おもしろい本なら
全般的に当てはまることだなぁと
思った今日この頃でした。
初版本は無理ですが
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