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「クリムゾンルーム」という本


また面白い本を読んだ。

「クリムゾンルーム」という本だ。

 

小説「クリムゾン・ルーム」公式サイト

 

クリムゾン?

最初は全く意味がわからず、読んでいく

うちにぼんやりとしていた物がわかってきた。

 

クリムゾンルーム、主人公高木はコンピュータ

のソフト開発βの会社員。以前はゲームの開発、

作成などその業界に名を残すほどの人物だった。

だった、というのは過去形である。


現在の高木はゲームの開発どころか管理職、

作成の意欲もなくし、会社に飼われている状態だ。

 

熱意もなく、過去の栄光でかなりの資産を得たが

高木自信は妻や子どもにも大して相手されず、

悪友?の梁川とカジノで遊んだり気ままな、

ちょい悪おやじと見える。そんな高木が一人の

ファンだというKのメールのやりとりから彼の

退屈な日常が大きく変化する。


高木は上京してきたKに部屋を与え、彼が

作成したゲームを高木のクレジットで世の中に

配信してしまう。私は高木の気持ちがよくわかる。


もてはやされていた時が懐かしいのだ。

管理職は物を創ることが仕事ではない。

Kが作成したゲームは脚光を浴びた。

高木はまたもてはやされることになる。

 

クリムゾンルーム、それは高木の心の部屋

そのものではないだろうか?


人は人の出会いによっていい方向に行ったり、

また堕ちてしまうこともある。

人が人を導いてくれたり、出会った時期に

よってそれは違ってくる。この本は高木という

主人公だが、自分に置き換えるとやはり私も

高木と同じ道を辿ってしまうと思う、共感

できてしまうのだ。


そして、高木の心の隙間を埋めるのは魅力の

ある女性2人だ。マリアンヌは高木のよく行く

カジノのバーテンダー。桐子は行きつけの

クラブ黒真珠のホステスだ。高木にとって

マリアンヌはどこか娘のような感じがする。


それに対して桐子は母親のような存在。

 

高木は2人の間でバランスをとり日々の日常

をやり過ごすが、最後で高木は一番安らげる

家族のもとへ落ち着く。

 

Kは悲しい道を選んでしまうが高木にとって

Kは自分を目覚めさせてくれた大事な人間

なのかもしれない。

 

私にも、必ずいると思わせてくれる本だ。

自分を目覚めさせてくれる大事な人、 

私にも、必ずいると思わせてくれる本だ。

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