本屋(書店)の利益、人件費、利益率などについて
ぴとみんです。
そういえば、中小企業庁が調べた、小売業の
経営指標の平均データ見て、ふと思いました。
その中に、書籍・雑誌小売業のデータがあります。
古本屋は当てはまらないかとは思いますが・・・・。
中小企業の経営指標(中小企業経営調査)
平成15年度版
書籍・雑誌 小売業 |
経 営 資 本 対 営 業 利 益 率 |
経 営 資 本 回 転 率 |
売 上 高 対 営 業 利 益 率 |
流 動 比 率 |
商 品 回 転 率 |
売 上 高 対 総 利 益 率 |
販 売 ・ 管 理 費 比 率 |
売 上 高 対 人 件 費 比 率 |
|
5.0% | 2.1回 | 2.4% | 140.0% | 6.2回 | 22.4% | 20.0% | 10.3% |
小売業で最低かと思うくらい
儲からない商売は、本屋です。
売上高対総利益率が、なんと22.4%
零細企業レベルでいうと、月300万
売り上げても、粗利が672,000円。
人件費が、売上の10.3%だから、309,000円。
販売管理費率が、20.0%なので、600,000円。
えっ!ってなりますよね。待ってよって!
粗利が67.2万なのに、販管費が60万
自由を求め脱サラだとかいって、夢だった本屋さん
を開業するべく、国民金融公庫で退職金を資本に、
1000万円ほど融資を受けて、本屋を開業しました。
オープンして、数ヶ月。ほとんど売上もなく、
資本金も経費でほとんど底をつきかけたところ、
幸運にも、ようやくお客さんが増え、なんとか
月300万円を売り上げるようになりました。
300万というと、1日売上10万なので、そこそこの
お客さんが必要です。平均単価1500円としても、
毎日約70件の売上が必要です。
必死に頑張ったんです。自由を求めて。
それがですよ、
粗利が67.2万なのに、販管費が60万円。
つまり、売上300万でも、たった、7.2万円
しか儲かりません・・。・°・(ノД`)・°・
その7.2万円もですよ、国民生活金融公庫
(現在の日本政策金融公庫)の融資1000万円の
返済と利息で、消えてなくなります・・・。(/TДT)/
じゃあ、販管費が60万円って多い!?のかというと
そうでもありません。内人件費が、309,000円というと
わずか1人の人件費、つまりこれは自分で労働する
しかなく、レジから品出し、入庫作業から返品まで
重労働をこなします。(自由はいったいどこ??)
そして、結婚していれば、経費削減のため妻が
タダ働きします。残り半分の30万円も家賃・光熱費、
消耗品などで、消 え て い き ま す ・・・。
結局、資本力のない本屋は廃業に追い込まれ、
かろうじで、続けている本屋も、町の小さな
本屋を見れば、だいたい経営状態がわかると
いうものです。
(現実問題として、過去10年あまりで、全国
3万件あった本屋が、現在は、1.5万件で、
ほぼ半減しています。)
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