1円本について
昨日、「1円本でも利益が出るのでしょうか」というコメントを頂きました。
わたしの運営する「渋谷書店」では、お店の経営方針から1円本は
やる予定はありません。第一に著者に対して1円で売るなんて失礼だし、
「適正価格」とは言えないからです。しかし、結論から言うと
1円本でも利益はでると思います。
まず始めに、新刊本の本屋さんの場合、仕入れた本は売れ残ったら、
返品できるので、リスクなく商売ができるといえます。(不良在庫なし)
それに対して、古本屋の場合、運営するにあたって、必ずといっても
いいほど、不良在庫(売れない本)はでてくるのです。それはどこにも
返品はできないのです。要らなくなった本などを売りに来られた
お客さんから、買取り(返品なし)をしているのですから。
ですので、古本屋の場合、不良在庫(売れない本)は、経費をかけて
処分する必要がありますし、そのまま在庫として抱えると、
在庫リスクというものが発生します。
つまり、在庫置き場には、家賃や管理費がかかっていますし、売れない
本に家賃や管理費をかけるわけにはいきません。回転率が低いと経費が
UPし、利益率の低下にもつながります。
そこで、誕生したのが1円本です!
1円本。買う側にとっては、魅力的な金額ですし、何しろありがたいと
言えますが、売る側にとっても、ありがたい処分の仕方なのです。
なるほど、アマゾンのマーケットプレイスでの販売では、お客さんから、
送料を頂くことになっています。お客さんの支払いは、
商品1円+送料340円=341円
(なぜか、アマゾンは、送料から手数料を80円取ります)
したがって、古本屋の売上は、80円を引いて、261円。
さらに、送料は当然かかりますので、
261円-メール便160円程度=101円
となるのです。これが1円で販売した利益です。
処分するしかない本だと考えると、結構な利益だと思います。
また、確かに、回転率や在庫リスクまで考え、1円で販売する
古本屋は、経営的には現代の古本屋だといえると思います。
一方、昔ながらの古本屋は、趣味が第一で、お店の端から端まで、
本棚の前に、さらに本を積み上げて、不良在庫(売れない本)が
混じっているのに、処分せず回転率の低下を招き、さらには、
在庫スペースの問題などから、お客さんからの買取を控え、また
さらに利益率の低下を招き、結果的に、店頭在庫の1冊あたりの
値付けが高くなり、なかなか売れない(あまり回転しない)という
負の連鎖を招く結果になるのだと思います。
・・・・・・・・。
古本屋歴まだ半年ちょっとのわたしが生意気言ってすいません。
わたしも、本が好きで「古本屋」を副業で始めたのですが、
やはり、副業といっても真剣に取り組んでいきたいと思っています。