廉恥/今野 敏
2014年05月03日 category : 本・書籍<高価買取情報>
廉恥
今野 敏
買取価格 518円
世田谷署の刑事・樋口彰は、争い事が嫌いで、誰かとぶつならないように一歩いているところがある。
だが、警察内ではそんな性格は協調性があって冷静沈着だと評価され、捜査一課の係長に抜擢されている。
ある日、世田谷署に殺人事件発生の一報が入った。被害者は、水商売の若い女・南田麻里。
刑事として事件を追う樋口のもとに、耳を疑うような情報がもたらされた。
公立中学や高校に送られた脅迫メールの発信源リストの中に、樋口の娘・照美の名前があることが分かったのだ。
警察官の自宅に強制捜査が入れば、マスコミの餌食になることは確実で、処分も免れない。
そんな中、樋口に更なるピンチが訪れる。
被害者の麻里が警察にストーカー被害の相談をしていたことを、新聞社の記者が嗅ぎ付けてしまった。
ストーカー絡みの殺人を未然に防ぐことができなかったとなれば、警視庁幹部の責任は免れない。
苦悩の中、樋口は刑事としての職務を全うしようとするがーー。
警察小説の名手・今野敏が「もっとも等身大の自分に近い」と語る刑事を描いた、傑作ミステリー!
…最近ニュースなどで取り上げられる事件がモチーフのよう。
インフラが整ってメールなどの便利なはずのツールが、一つ間違えると犯罪のツールになってしまう。
自己発信するツールも同じく、使い方によってはいろいろなリスクを含むモノです。
日本の警官小説はあまり…と思っていたのですが、少し目からウロコの1冊です。
著者について
55年北海道生まれ。78年『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞しデビュー。06年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。著書に『ビート』『ペトロ』『確証』『連写』など。
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